(映画「パディントン」より)
オススメ!
イギリスの絵本「くまのパディントン」を元に制作されたハートフルファミリーコメディ映画。現実世界に本当にお利口なクマがいるかのような映像もすごいよね。自然すぎて何の違和感もないです。
子供も飽きずに観ることが出来る映画です!
あらすじ
その昔、あるイギリス探検家がペルーの奥地で、とても賢いクマ夫婦で出会う。クマ夫婦は探検家から人間の言葉や文化を教わる。探検家はイギリスに戻っていき、その後夫婦は子熊(パディントン)と出会い生活を共にするが、ある日、大地震により棲家を追われることに。
そこでパディントンは、探検家がかつて帰国の際にクマ夫婦に言った「いつかロンドンに訪ねておいで」という言葉を頼りに、人間の船に密航してロンドンへ降り立つ。
パディントン駅で途方に暮れているところにブラウン一家が通りかかり、一家の好意で(というか奥様の)一時的にブラウン一家の居候になることに。
都会に不慣れなパディントンはトラブルを起こすも、彼の誠実さとたまたまが重なり次第に家族との信頼関係を築いていく。
しかし、そんな時、自然史博物館のミリセントはパディントンを剥製にしようと暗躍し始める。
というお話。
うん、ベタだね。
登場人物
パディントン(声:ベン・ウィショー)
(映画「パディントン」より)
本作の主人公。クマ夫婦の教えもあって人間の言葉は完璧に喋ることが出来、礼儀正しさが素敵なクマ。
元々は違う本当の名前があるらしいんですが、人間には発音が難しく、ブラウン一家のメアリーから英語の名前をもらうことに。彼らが出会ったパディントン駅からそのまま名前を貰うことになるんですが、日本だったら「アナタの名前は…新大阪…新大阪にしましょう!」とかになっちゃうよね。だせぇ。(ロンドンの人も同じ感覚なのかしら?)
トレードマークの赤い帽子はクマ夫妻のパストゥーゾおじさんの遺品(元々はイギリス探検家がパストゥーゾにプレゼントしたもの)。青いダッフルコートはブラウン一家のお古。 可愛いんで、僕は今年の冬は子供にパディントンルックをさせることを決意しました。
可愛い。
ヘンリー・ブラウン(ヒュー・ボネヴィル)
(映画「パディントン」より)
パディントンからは「ブラウンさん」と呼ばれる。 ブラウン家の大黒柱。
正直な話、このブラウンさんこそがこの作品の面白さのキーマンじゃないかと本気で思ってる。生真面目な人なんだけどパディントンに振り回される様子がフフフと笑えるし、実は熱いナイスガイなところはグッとくるんだぜ。
素敵。
メアリー・ブラウン(サリー・ホーキンス)
(映画「パディントン」より)
パディントンからは「奥様」と呼ばれる。 ブラウンさんの奥さん。
一言で言うと聖母。僕も尊敬の念で心から「奥様」と呼んでおります。
駅でうなだれていた明らかに怪しい子熊に声を掛けるクレイジーさを持つ奥様だが、初対面でパディントンに親身になって優しく話を聞き、家にまで招き入れてくれた女神。彼女の優しさが無ければ、パディントンとブラウン一家の出会いは無かったんだぜ。
夫のヘンリーに反対されるもパディントンを守り続けてくれるその優しさは、作中通して貫かれている。メアリーを演じたサリー・ホーキンスの包み込むような柔らかな笑顔もとても印象的です。
好き。
ミリセント・クライド(ニコール・キッドマン)
(映画「パディントン」より)
ある理由からパディントンを付け狙い、彼を剥製にすることを企む女性。所謂「悪役ポジション」の人ですね。
演じるニコール・キッドマンは、原作(絵本)の大ファンで、作品のオファーを大変喜んだそうです。でも、ミッション・インポッシブルのパロディを元妻のニコール・キッドマンにやらせるってすげーな。
ところで、このミリセントの設定やニコール・キッドマンの演技に1ミリに不満も無いんですけど、こういうコメディの悪役ってなんか汚いおっさんの方が収まりが良くないですか?ホーム・アローンのヒゲとチビとか、トイ・ストーリー2のコレクターのデブとか。
でも、このミリセントは全然有りです。
美しい。
感想
キャラクターとテンポに引き込まれる良作
面白いです。(子供の要望です)何回も観てます。
物語の冒頭、駅でパディントンを見つけたブラウンさんが子供達に言います。
『怪しい奴発見…目を合わせるな』
ブラウン一家とパディントンの出会いはこんな残念な出会いでした。しかし、そこから奥様はパディントンに声を掛けるんですね。
まぁ、ここで話の流れが大体わかるじゃないですか?パディントンと一緒に暮らすことになるけれどヘンリーは大反対しててトラブルが起こるけどなんやかんやで反対してたヘンリーもパディントンを認めて本当の家族になる!っていう流れが。敢えて言いますけど、話の筋としては本当にそうなります。
でもそんなストーリーなんか全然ネタバレで良いんですよ。この映画は緻密なストーリーとかじゃないんで。
子グマのパディントンの可愛らしさは勿論なんですが、彼を取り巻く人々のキャラクターがとても素敵に描かれている。パディントンに反対していたヘンリーも結構すぐに彼を認めて協力的なのも良いし(パディントンのためなら腕に針を刺されても平気なんだぜ?)、終始優しさに満ちている奥様は言わずもがな。パディントンと触れ合いで笑顔になる子供達も観ていてほっこりします。
そしてコメディらしく笑いどころもしっかりと。人間の生活に慣れていない(知らない)パディントンが天然でかますボケや失敗の描写は大人が観ても笑えますし、子供なら大爆笑でしょう。うちの子供達はパディントンがブラウン一家に来てやらかした事件が気に入りすぎてセリフと動きを完コピしていますからね。
パディントンだけでなく、ブラウン一家全員がチャーミングな笑いをドンドン提供してくれて飽きずに観ることが出来ます。
「そうなる」ってわかってても、パディントンが家族と認められる、大切にされているシーンは感動的でした。すぐギャグが入りましたけど。でもそれがまた良い。
日本語吹替が違和感無し!
子供向け映画の吹替は本当に考えて起用して欲しい
本作は日本語吹替に複数名のタレントを起用。僕はこの手の方法は大嫌いです。
だって下手だもん。違和感有り有りで物語に集中出来ません。子供と観る映画となると字幕版では子供が無理なので強制的に吹替版になるんですよね…。
でも、この「パディントン」の吹替は全く問題無し!
て言うかむしろ良い!
ちなみに僕が最低の吹替だと思ったのは「映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア」!の山本美月。
ちょいキャラで圧倒的存在感のクソ吹替。
松坂桃李(パディントン)
パディントンは松坂桃李さんが担当。
物語冒頭でパディントンが森で暮らしてる時は結構いたずらっ子的な描写があるんで、幼いクマのイメージで見ると松坂桃李さんの声が「ぅん?」という違和感はありました。でもロンドンに着いてからのパディントンは都会の中で礼儀正しく努めようとする様もあって、松坂桃李さんの青年の声も違和感が無くなってました。
全然OK。むしろ子供と何回も観すぎてパディントン=松坂桃李が定着してる。
古田新太(ヘンリー・ブラウン)
ブラウンさんは古田新太さんが担当。
全然クセ無く、ブラウンさんの真面目さ、暖かさ、かつコミカルさが素晴らしい。
普段の演技より上手くね?と思ってしまった。
木村佳乃(ミリセント・クライド)
ミリセントは木村佳乃さん。
木村佳乃さんって悪女役が合ってるのかも?と思わされるほど良かったんじゃないかと。元々芯の強そうな声ですし。三井住友銀行の「923-923!」とか言ってた時みたいな。
でもしっかりギャグパートも使い分けてて、物語のアクセントになってる。
すごい。
おわりに
吹替のレベルの高さのおかげで子供と永遠に観れる映画です。
公開当時は全然興味無かったんですが、観て良かったです。子供と観たから余計に楽しめたのかも知れませんが、大人一人で観ても楽しめる映画だと思います。
あ、注意点としては作中のロンドンの人達はクマが街にいることに何の違和感も無く物語が進むので 「なんで誰も驚かないんだよ!」とか無粋な事が気になる人は観ない方が良いかもです(笑)
おわり。