みんな集まれ半蔵門

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鬼のように若気の至り

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今週のお題「鬼」。

 

中学1年生ぐらいの時だったと思う。
子供ながらに「ええやん」と感じたそのフレーズに出会ったのは。
それは「鬼のように~」という言い回し。

 

塾の先生が「俺は学生時代この勉強方法で鬼のように繰り返し復習した!」と言っていた時だった。
初めて聞くフレーズだし、勉強方法の解説はあっても「鬼のように」の部分の解説は無かったが「なんとなく言ってることは95%わかる」この不思議。これが「『言葉』でなく『心』で理解できた!」というやつでしょうか。

 

残念ながら僕はその勉強方法は1ミリも思い出せないですし、鬼のように実行しなかったので学歴がちょっとアレなんですけど、「鬼のように」だけは気に入ってすぐに取り入れてました。友人との会話の中で誇張するときには、ここぞとばかりに鬼達を増殖していましたね。平成の鬼舞辻無惨である。鬼滅の連載開始はそもそも平成だけども。

 

この「鬼のように」を使用したボケは高確率でウケていましたが、不思議なもんで「鬼のように」って何?とかを、笑いながらでも聞いてくる人間は0でしたね。当時ほんとに浸透していないフレーズだったのに。結局僕だけでなく、誰しもが「なんとなく言ってることは95%わかる」絶妙なフレーズだということじゃないでしょうか。

 

ほどなくして世の中?少なくとも僕の周りでは「鬼のように」がすっかり浸透して市民権を得ていたわけですが、当時の大人はどう思っていたのでしょうか。
「神ってる」という言葉が流行った時に僕が何歳だったか思い出せないが、僕的にはこの表現は中々キツいものがある。2016年に広島の緒方監督の発言からメディアから取り上げられましたが、それ以前に若者の間では既に使われていたことを考えると僕の25歳ぐらいだろうか。
僕も所謂大人になっていたので、その頃以降の若者言葉は大概拒絶反応でした。

 

「わかりみが深い」「マジ卍」「ぴえん」「あーね」「エモい」…辛い。
もう字面だけで鳥肌モノなのですが、大人からしたら「鬼のように」も同じ感覚だったのかなぁ。「鬼のように復習ってなんだ!正しい日本語を使え!鬼は頑張って勉強なんかしないだろ!」という感じでしょうか。まぁそもそも僕に「鬼のように」を伝授したのはいい大人だったのは置いといて。

「マジ卍」なんかはテレビでインタビューを受けた女子高生が「どんな時にでも使える言葉」と紹介していた。テンション上がった時に「マジ卍」。怒りがこみ上げてきた時に「マジ卍」。ひどく落ち込んだ時に「マジ卍」。何となく言葉にすると落ち着くからとりあえず「マジ卍」。
何でも有りである。こんなのマジ卍じゃん。

それを見て僕は日本の将来を憂いたものだが、よく考えれば「鬼のように」も同じなのである。「あの先輩は怒ったら鬼のように怖いから気をつけろよ」「あの子、実物で見たら鬼のように可愛かった」「彼女に振られて鬼のように酒を飲んだ」。
一緒である。こんなのマジ卍じゃん。
「鬼のように怖い」とか「鬼のように強い」は「チーターのように速い」とかと同じ、ただの例え話なので何の問題は無いが、鬼と関連の無いものまで使ってますもんね。

僕も後輩から「半蔵くんマジ鬼のように優しいっす!」と言われた時は「どっち?」ってなったっけ。

要は鬼=人間を超越した=すごく、というわけなんでしょうが、誰が言いだしたんでしょうね。この後に「神ってる」が出てきてるはずなので、一定周期でこの凄い例えが出てきそうですね。

 

次はきっとあれだわ。

「スサノオノミコトぐれぇ」「ゼウスってる」

のどっちかだわ。

 

これが当たってたら鬼のように凄いよね。

 

おわり。