成人の日ですね!
成人の日といえば成人式なわけですが、今はコロナで延期だとか中止だとかオンラインだとかで、なんだか寂しいですね。若者達のイベントが尽く奪われているようで悲しい気持ちです。うちの子はまだ幼稚園ですが学校行事も無くなったり、時短だったり・・・。
早くかつての日常に戻りたいですね。
さて、成人式の話ですが、人生で参加するのは1回なわけで、あとは毎年ニュースで目にするぐらいですよね。そして毎年ニュースで取り上げられるのが「荒れる成人式」。あーいうことする子達って不思議ですよね。荒れるってほどでも無いですがうちの地元でもいましたよ、下品派手に着飾った「ヤンチャしてます紋付袴BOY」。だっせぇだっせぇだっせぇわ。あなたが思うより滑稽です。
だいたい20歳にもなって何故いまだに不良に憧れているのか。
というか30超えてもその路線で行ってる奇行種も沢山いるから摩訶不思議アドベンチャー。くそダサ金のネックレスon theブヨブヨの体に何故かピチピチの黒シャツおじさん。体太いくせに何故眉毛は細い。世界で一等不快な奇跡。
そんなリトル番長崩れが群れて後輩の成人式に来るんすよ!年下の彼女の成人式に黒い車で迎えに来るんすよ!ダッシュボードに女の子の晴れ着のフワフワみたいなやつ置いてる車で。
みんな気をつけて。そーゆー行為すんごくダサいぞ。
と、まぁそういった人種を毛嫌いしている僕なので、慎ましく成人式に参加いたしたよ。
成人式とは別に「小学校にタイムカプセルを開けに行く」というイベントがありました。すっかり忘れていたのですが、友人のH君が「卒業前にクラスごとに埋めたタイムカプセルを掘り起こす」ということで成人式に集まるように、しっかりもののYさんが呼びかけていることを教えてくれました。
そんなわけで僕は今でも付き合いのある友人達にも声を掛け、一緒に行くことにしました。
僕らが小学校に着いた頃には既に結構な人数が集まっていて、全クラス(3クラスでした)分の掘り起こし作業がそれぞれのクラスで進められていました。
小学校ぶりの子もいたりして久しぶりーなんて盛り上がっていると、6年2組の担任だったO先生が僕の目の前に立ちはだかりました。
「あなた、3組だった半蔵さんよね?」
おぉ、8年の月日が経っても僕がわかるんだね。違うクラスだったというのに。
ちなみにこのO先生は男の子でも女の子でも「さん」付けで呼ぶ先生で、当時の僕達にとっては衝撃的だったのを覚えている。どういう意図かは当時聞いてなかったが、今の世の中のようなジェンダーフリーの意識からだったのだろうか。それならば素敵な話だ。とはいえ当時の僕は高圧的で怒りっぽいこの先生をヒステリックおばさんとして毛嫌いしていたのだが。まぁ僕も子供だったので。
「先生、お久しぶりです!先生全然変わりませんねー」
なんて、礼儀正しく、かつフランクに社交辞令をかます僕。
20歳だからね。実際は少し老けたなぁが第一印象だったけどそういうこともサラっと言えるんですよ。
「半蔵さん。あなたK先生に連絡したの?」
は?
なんのこっちゃ。
K先生は僕ら6年3組の担任の先生で、ユーモア溢れるナイスガイだ。僕はこの先生の影響で小学校の先生になろうかとも思ったぐらい良い先生だった。
だが当然ながらK先生と連絡は取り合ってなどいないわけで。
「あのね。普通は小学校に入ること自体が許可がいるのよ?私は(しっかりものの)Yさんがタイムカプセルを掘り起こしたいとちゃんと連絡をくれたから許可をしたのよ?あなた達は3組でしょ!?K先生に連絡してないんでしょう!?」
めっちゃ怒ってる。
8年の時を超えてヒステリックおばさん再び。
「いやいや、先生、僕もYさんがみんなに声を掛けてるって聞いて来たんですよ。」
「あの子達は2組でしょ!?他のクラスが勝手に来て良いものじゃないでしょ!?」
えー、そうなん?
というか成人の日の主役であるハズの私は何故こんなにも怒られているんでしょうか。
ちょっと気遣えよ。
その後もイラっとした僕は、そもそも埋めた時点で成人式の日に掘り起こすことを決めていたわけだから集まる事自体は8年前に決まっていたのではないか等の口論を続けるも受け入れてもらえず、O先生の携帯からK先生に電話を掛けてもらい、僕がK先生に許可を頂くという謎の儀式が執り行われることとなりました。
「まぁまぁ、大人になろうぜ」と僕を諭してT君が口論を止めてくれたんですけど、彼は小学校の時、女子トイレ覗いてた奴だからね。君も大人になったもんだ。
電話口のK先生はあの頃と同じく気さくに話してくれて、もう夕方になっていたというのに学校にまで来てくれました。
8年ぶりに再開したK先生は少し痩せていたようだった。
「先生、元気にしてますか?」
「おぉ元気にしてるよ。いやぁ半蔵懐かしいなぁ。」
「ちょっと痩せました?仕事大変ですか?」
「いやぁ・・・やっぱ最近の子って難しくてなぁ・・・」
先生は少し寂しそうに言っていた。
深いところまでは敢えて聞かなかったけれど、8年前、僕らを教えてくれていた、触れ合ってくれていた頃とは子供達も変わってきているようだ。どこか冷めているというか達観しているというか。その頃既にニュースで取り上げられていたような子供像そのままな印象だった。
K先生は昔ながらの熱い先生なので、余計にギャップもあって苦労しているそうだ。
8年も経てば、時代も変わる。
お世辞が言えるようになる人もいる。
ヒステリックなままな人もいる。
いい年こいて不良に憧れたままの人もいる。
成人式は20歳のターニングポイントとして感じたことは何もなかったけれど、月日が色々なものを変えていくんだなと感じた1日でした。
変わることも大事だけど、変わらない大切なものも守っていきたいですね。
新成人の皆さん、おめでとうございます。
ダッシュボードに変なファーを置く大人にだけはなるな。
おわり。