みんな集まれ半蔵門

子供の事とか映画の事とか戯言とか

IBS(過敏性腸症候群)に悩む君へ伝えたいこと

f:id:hanzounomon:20210531233602j:plain

 

過敏性腸症候群という病気

皆さんは過敏性腸症候群、通称IBSという病気をご存知でしょうか? 

主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称。検査を行っても炎症や潰瘍といった器質的疾患が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛とそれに関係する便通異常が慢性的または再発性に持続する機能性消化管疾患である。

(wikipediaより引用/過敏性腸症候群 - Wikipedia

一時期、安倍総理がこのIBSだなんだのと話題になってましたよね。

 

まあ 、すっごくざっくり言うと

すぐにお腹痛くなるんすよ。

 

IBSで悩んでる人からすると「そんな適当に言いやがって!」と思われるかも知れませんね。ごめんなさい。

 

でも実は僕も学生時代にこのIBSになり、散々悩み、死にたいと思いつめた経験があります。正直今でも克服したというわけではありません。

ですが、今は症状もずいぶんと緩和し、こんな僕でも結婚もして子供も出来て、人並みの幸せを感じることが出来るようになりました。

 

そんなわけで、IBSによって将来に絶望していた僕から…今もIBSに悩んでいる誰かに「めっちゃしんどかったけど何とか幸せになれるもんやで」とエールを送りたいのです。そして「IBS?なんぞそれ?」と思ってる人達には「こんなことで苦しんでいる人もいるんだよ」と、少しでも知ってもらえたらなぁと思ってこの記事を書きます。

 

うん、色々思い出したら泣きそうになってきたぞ。

 

僕がIBSになったキッカケ

IBSって緊張やストレスによって腹痛を引き起こすことが多いそうです。僕もそのパターン。例えば大勢の人前でスピーチをする時に緊張してお腹が痛くなる。まぁそれは結構な人が当てはまると思うんですよね。でも僕はトイレが無いところに行くと不安になってお腹が痛くなるという症状でした。電車の中とか、車の中とかめちゃくちゃ嫌でしたね。今でもですけど。しかもそれが電車が止まるとか、車が渋滞になると更に不安になってお腹痛くなるっていうね。

僕が何故そんなIBSになってしまったかというと、絶対に「これ」と確定したわけでは無いんですが99%これかなぁと思っていることがありまして。

それは中学1年の時に通学中にお漏らししちゃったことだと思うんですよね。

それを誰かに見られたってわけでは無いんですが、その失敗体験が僕のトラウマになってるからトイレが無い、行けない状況が不安を煽るんだと思います。

Wikipedeiaにもこんな記載があります。 

最初は身体的理由(暴飲暴食など)が原因で下痢をしたものが、それにより人前で恥をかくという経験を幾度か重ねるうち、学習効果により人前で下痢をすること自体に異常に恐怖心を持ってしまい、長時間トイレのない場所や人目に触れずにトイレに入れないような場所に行くと不安障害の一種として下痢をするようになることもある。乗り物酔いしやすい人というのが、乗り物酔いを繰り返し経験するうちに「また乗り物酔いするのではないか」という予期不安によって、乗り物に乗る前から意識がそこに集中してしまい、さらに酔いやすい状態に陥る現象に似てパニック障害などとほぼ同じ原理である。 

(wikipediaより引用/過敏性腸症候群 - Wikipedia

まさにこれかなぁと思います。

 

そんなわけで僕は、中学1年生、12歳の頃からこのIBSに悩まされ続けてきました。

もう20年以上だね。びっくり。

 

IBSに悩む日々

授業に集中出来ない

そこからはもう毎日が辛かったですね。何が一番辛いって、中学生なんで毎日学校があって、毎日授業があるじゃないですか。授業は1コマ一時間弱。僕にはその一時間が耐えられなかったんですね。

そもそも学校って大きいのしてたらバカにされるっていう悪しき風潮があったじゃないですか? 幸い僕はそれでバカにされたり苛められたりとかは無かったです。友人には恵まれてたと思う。今でも感謝です。

それでも根底には「恥ずかしい」って感情があるんですよね。大人になった今…というか過ぎ去ってしまえばですが「そんなこと気にする必要ないのに」って事なんですが、当時の僕には無理でしたね。今悩んでる人もそうだと思います。

そんな状況の中授業を受けるわけだけど、授業が始まった途端「今から一時間トイレに行けない」という恐怖に支配されるわけです。不安になればなるほどお腹はギュルギュル。脂汗も出てくる。そんな状態で授業なんか聞いていられるわけないですよね。だから僕は授業中はずっと寝てました。寝ていれば不安で腹痛が加速するのを抑えることが出来るからです。とは言っても僕の脳内は腹痛の不安でいっぱいですからスヤスヤと眠れるわけでもなく「腹痛のことを考えないで目を瞑って心を無にする」ので精一杯でした。

それでも我慢出来ずに、授業中に手を挙げて「先生、トイレ行っていいですか」って言わざる得ない時があります。もうね、これ思春期の少年にとっては恥ずかしいもんです。繰り返しになりますが「気にする必要ない」んですよ。こんなこと。でもね、僕の通ってた中学の先生は殆どがこう言ってました。「なんで休み時間に行っとかへんのや!」って。

もうね、今でも最低だと思います。こういうところかな、僕の教師嫌いは。休み時間も行ってこれだからね。授業中にトイレに行きたいって進言してる時点で恥ずかしくて、サッとこの場から消えたいと思ってるのに何の意味も無い説教で皆の注目が僕に集まる。マジかこいつって思ってましたね。そんなやつが生徒に「相手の気持ちを考えよう!」とか言ってんのな。薄っぺら。そう習ったからそう教えてるだけ。

ごめんなさい思い出したら腹立ってきた。

 

そんなことがあるので、日に日に授業中に腹痛が起こる恐怖が増していくんですね。

またお腹痛くなったらどうしよー。またグチグチ言われたらどうしよーって。

先生に怒られるのなんかどうでも良いんですよ。思春期の少年はただただ、恥をかきたくない。かっこ悪くなりたくないんです。

 

中学3年間はずっとこんな感じでした。成績はめちゃくちゃ落ちました。小学校の頃はめちゃくちゃ優等生だった僕でしたが中学の時の成績は下のほうだったなぁ。

そりゃそうだ。授業も聞いてないし、ノートを取る余裕も無いんだから。 

  

休み時間はただトイレに行くだけの時間

Q.なんで休み時間に行っとかへんのや!

A.休み時間の度に毎回行っています

 

なんですわ。

とにかく行っておかないと不安(腹痛)になる。男子便所って女子便所と違って大きいの入ったら目立つじゃないですか?女性の方はわからない?おしっこなら小便器でするからダヨ☆

それもいちいち恥ずかしいんよね。何度「男子便所も全部個室になれば良いのに!」と思ったことか。何だったら「教室の机が全部こたつみたいに下半身が覆われていて椅子も便器なら良いのに!」って思ってました。

 

そんな僕なので休み時間の度にトイレに行くわけですが、ここでもIBSによる制限がありました。それは「授業の5分前にトイレに行く」というルール。授業と授業の間の休憩って10分だったじゃないですか?すぐには行かないの。5分待つの。仮に休憩なってすぐトイレ行って、5分で帰って来るとするじゃん?すると次のトイレ我慢時間が『授業一時間+5分』になるじゃん?「それだけ?」って思うでしょ?もうそれが無理って精神状態なんです。

 

中1、中2の時ってトイレが(物理的に)近い教室だったからまだ良かったんですけど、中3の時が校舎の端から端までみたいな距離だったんでめちゃくちゃ辛かった。毎日校舎何往復したことか。

しかも休憩の時って結構みんな廊下に出て他のクラスの子とかと喋ってるでしょ?

だから「また半蔵トイレ行ってる」って見られるんですよね。いや、見てないかもしれんけど。そう思い込んでるんですよ。本人は。

 

そんなことを繰り返す日々なんですが、時間配分ミスって授業に遅れるってこともしばしば。それでまた恥ずかしいっていう。そんな悪循環でした。

 

テストが受けるだけ無駄

前述の通り、授業なんかまともに受けて無いんでドンドンわからないことが増えていくんですけど「ちょっとこれじゃいかんぞ」という気持ちが湧き出てくる時があるんですね。そこは元優等生のプライドでしょう。

だから授業では寝ているものの、家で一人で教科書を読み直したり勉強してテストに挑んだことがあったんですよ。中間テストとか期末テストあったじゃないですか?全教科一人でテストに備えてみたんです。

でもね、テスト当日。いつもよりお腹痛くなるんですよね。だってテストって(僕の学校は)不正防止のために途中退室不可だったんですよね。正確には退出出来るけど、退出時に答案提出しないといけないから戻ってきても再回答出来ない。つまり普段のトイレ我慢のプレッシャー+退出したらテストが受けられないプレッシャーの合わせ技になるんです。そんなことを考えてたら結局腹痛でテスト中も頭が回らないっていうね…。

せっかく頑張ったのに、やっても無駄…っていう思考になっちゃう。なってた。

 

ちなみにテストの日に休み時間のたびに、みんな教科書とかノートを直前にもう一度読み直してたりするじゃないですか。でも僕はトイレに行くだけ。そもそもノートもとってないしなぁ。

 

食事が摂れない

お腹が痛くなるんなら食べなければ良い!と考えた半蔵少年。朝も昼も食事を摂りませんでした。朝食は通学の時にもお腹痛くなりそうだし、 昼食は午後の授業が更に辛そうだから。というかそんな恐怖で食べれませんでした。

実際食事した時はお腹痛くなったしね。でもこれは多分心理的なもので「食べたら痛くなる」って刷り込みとストレスのせいなんだと思う。あと食事を摂らないことで胃が荒れるから本当は逆効果なんだろうなぁ。

 

くわえて僕は高校生の時には、こんな度重なるストレスによって(たぶん)、心因性頻尿(不安になっておしっこがしたくなる)を併発し、 極力水分も摂らない生活を送っていました。

 

無気力な奴だと思われる

とにかく僕はIBSで悩んでた。後述しますが、そもそも学生時代にはIBSというものを知らなかったし(世の中に認知されてなかった?)、とにかく僕はプレッシャーに弱いダメなやつだと思っていた。

でも周りには悩んでいることを悟られたくない。だってかっこ悪いじゃん?内容も内容だし。すぐトイレいきたくなるとか。だせぇ。

なので「授業中に寝る」とか「テストで点が取れない」とかも、ただただ「無気力な奴」っていう風に映る。実際僕自身ごまかすために友達に「やる気ねーしw」みたいなこと言ってたからしょうがないんだけどね。ほんとはお腹痛くて辛いだけなんだけどね。

 

中1の時に、僕が優等生Mくんと喋っている時に担任が話に入ってきて、どんな流れだったのか忘れたんですけど

「Mは真面目やけど、半蔵はいっつもやる気無いよな」

って言われたのをすごい覚えてる。

さっきも書きましたけど、僕って小学校の時はすごく優等生で先生が「みんな半蔵くんをお手本にしなさい」とか言われる感じだったの。成績優秀で毎年クラス委員には推薦されて、生徒会も入っていた。僕自身も「俺は優秀な人間だ」という自負もあった。

だから、中学の時に言われたその言葉は、最初は本気で理解出来なかった。え?俺のどこを見てそれ言うてんの?って。

ショックを受けながらも「え?先生、俺もまぁまぁ真面目でしょ?」と(ひきつりながら)ヘラヘラして聞くと

「半蔵は授業中も寝てるし、斜に構えて何事も冷めてる」

と言われました。

その時に初めて今の自分が周りにどう見られているかを知りました。何だかんだ(何故か)自分がまだ優等生だと思っていた僕にとっては中々にショックな言葉でしたね。

 

本当は僕だって授業聞きたかったんです。勉強したかったんです。

 

移動が出来ない

移動の道中、お腹痛くなったらどうしよう。

車乗って渋滞になったら最悪。何度「このまま出すとして…シートのクリーニングっていくらかかるんだろう?」と想像したことか。一人で自分の車に乗っているならまだしも(最悪出してしまえと思える)人の車だと更にプレッシャーが増しますよねー。だから遠出のお誘いは何かと理由をつけてお断りしたりもしてました…。

電車に関しては、JRの快速や新快速乗る時は絶対トイレ付き車両に乗ります。これは症状が改善した今でもマストです。人多いなー座れないなーと思っててもトイレ付き車両に乗らざる得ないのは辛いですがしょうがない。そんな保険を掛けながら電車に乗るも、たまにやたら長時間トイレに入ってる奴とかいるんですけどアレ何なん?いや、ベテラン腹痛ニストのこっちからすれば「治まらないのかな?頑張って!」って気持ちはあるんですけどね?でも中から、パチンパチンと爪を切る音や、ペラリペラリと新聞をめくる音、ガソゴソムシャムシャと食事する音が聞こえてね…。

 

そこはアナタの個室では無いですよ!(byドアの外で脂汗男)

 

我慢出来なくなって途中下車しても、特に通勤時間とかって駅のトイレも満室なんですよねー。そんな恐怖体験を記憶するから更に電車が乗り辛くなるという悪循環。

 

デートが恐い

そんなボロボロの僕でしたけど、学生時代にお付き合いしてくれた人がいました。

同じ学校の子なんでお腹弱いことはそこそこバレてたんですけど、やっぱり僕はかっこ悪いとこは見せたくないんですな。

だから、外出するとトイレ不安がある僕は圧倒的に家デートが多かったなぁ…。

「家デート素敵じゃん」と思ってくれた方もいると思いますが、やっぱりずっとはダメでしょう。行動範囲の狭い中学の時はまぁ良かったのかもしれませんけど、高校~社会人の時に付き合ってた人はやっぱり退屈だったんじゃないですかね。

しかも案の定「家デート派」を装う僕。

 

もちろん頑張って外でデートする時もあるんですが、常に不安でトイレのことばーっかる考えてるんですよね。

映画館とかわかりやすい恐怖ですよね。安定して2時間トイレに行けないという。あの頃はとにかく上映時間をチェックしてたなぁ…。そんなわけで「ロード・オブ・ザ・リング」デートはお断りしてました。

3時間とか正気の沙汰じゃねぇ。

 

将来に希望が持てなくなる

IBSで悩んでる人。そんなことは無いんだよ。未来は明るいんだよ。

とはいえ、ですよね。

 

僕もIBSによって、希望のある未来なんか描くことが出来ませんでした。

勉強が出来ない…じゃあ進学は?就職は?

恋愛も出来ない…じゃあ結婚は?

不安でたまりませんでした。

 

僕は中学の時に、症状が悪化する一方なので検査を受けることにしました。腹痛と下痢の原因が知りたかったため、大腸検査胃カメラでの検査を受けました。それでも原因はわからなかったし、症状が改善することはありませんでした。

次に僕は心療内科を受診するのですが、そこでは「木の絵を描いて下さい」と言われ、精神的に病んでいないか絵でチェックされる始末。

病院に行っても改善しないし、原因もわからない。またまた落ち込むことになりました。

 

こんな状態じゃ将来何の選択肢も無いんじゃぁ…色んな制限が出てくるんじゃあ…そんなことばっかり考えてました。 

 

実際僕は、経済事情もありますがIBS事情で進学先を専門系の高校へ進学しました。(工業高校とかそんな感じのです)

「お腹が痛くなる→恥ずかしい」を軽減するために男ばかりの空間に進んだのです。やっぱり女の子がいると余計に気にしてしまう(ストレスになる)からです。

あとは普通の高校行って~大学行って~って考えると「大学…恐い」って気持ちもありました。学校っていう時間に縛られる(トイレに行けない)恐怖をずっと考えてましたね。

まぁ、結局高校で出会った友人は今も大切な友人なので、結果オーライではあるんですが、結構後ろ向きな進学でしたね。

 

ずいぶん症状が軽くなった今の生活

今は幸せなことに、昔ほどIBSで悩んでいません。というか殆ど悩んでいません。

仲間よ、希望を持って欲しい。

 

僕は高校卒業後就職するも、専門学校に入り直した24歳の時にまた病院に通うんですが、その時に初めてIBSと診断されます。

といっても、何か消化器官に異常があるというわけでも無いので、症状からすると「おそらくIBSだと思います」って言われた程度でしたが。そしてその時にIBSに効くとされるイリボーという薬(腸の神経節に存在するセロトニン受容体を遮断することで、大腸の動きや水の分泌の異常を抑制することが出来る薬)を処方されるのですが、残念ながら僕にはあまり効果がありませんでした。

 

じゃあ、何故症状が軽くなったのでしょうか?

 

 

それは

 

 

なんでだろうね。

 

 

いや、ほんと明確な理由はわかんないんですよね。病院に関してはこのイリボーでの治療以降は病院にかかってないんで、結局僕の人生の中で病院治療はあまり効果が無かったです。

 

でもたぶんあれですよ。

働き出せば少しづつ良くなっていくのかなーって思ってます。実体験として。

 

学生でIBSの人って僕と同じようにトイレに行けないプレッシャーを感じてる人が多いんじゃないかなぁって思います。でも、働きだすと学生時代より結構自由にトイレって行けたりしません?「いつでもトイレに行ける」ってわかってると、結局別にお腹って痛くならないんですよ。

とはいえ大事なプレゼンとかの時とかは「抜けれない…」とか思っちゃうことが今でもあるので僕も完治とは言えないんですけど、そういうプレッシャーでの腹痛で誰しもあると思いますしね。

 

もちろん職場によっては時間の制約や、お客さんとの都合で学生時代より厳しいプレッシャーの人もいるとは思いますが…そのへん考慮して職探しをして欲しいかなあ。

IBSが就職の制限になるのは辛いし悔しいけど、症状を受け入れて、そのうえで最大限前向きになれる方向を探して欲しいです。

 

映画とかも人と行くとプレッシャーではあるんですけど、一人映画なら大丈夫なもんですよ。でも映画館の座席って狭いのでいざ時に離席しにくいので、トイレに行きやすい席の確保は前提ですけどね。ガラガラの映画館ならドーンと真ん中に座ってみましょう!

まぁ僕も一人映画をしてみたのは最近なんですが、結構良いもんですよ。行動が制限される中で気分転換になるかもです。

今は閃光のハサウェイ観に行こうか企んでる。

 

IBSが故に人の優しさに触れる

IBSでずいぶんと辛い時間を過ごしましたが、IBSが故に人の優しさを凄く感じる出来事も多かったです。

高校の先生

僕、中学の時の先生って前述したようなこともあって、ほぼほぼ嫌いだったんですね。

でも高校の先生ってあんまり口うるさくなくって、IBSに関する精神的負担も少なかったです。それでもIBSの症状はめちゃくちゃ悪い状態で心因性頻尿も併発してた頃で、その頃は「死んでしまえば楽になれるな」って何度もよぎってました。将来への希望も持てなかったですし、結構危険な状態だったと思います。友達とかも普通にいたし、遊んでる時は楽しいんだけど、ふと一人になって将来への不安を考えると、そんな良く無い考えがグルグルまわってました。

 

そんなめちゃくちゃ苦悩の最高潮のある日、僕は生徒会の顧問の先生から「生徒会役員に立候補してくれ」と言われました。

僕が通っていた学校では、生徒会役員は立候補者が全校生徒の前で選挙演説を行って、選挙によって選ばれる、というシステムでした。僕は生徒会への興味はあるものの、そもそも選挙演説なんか腹痛が目に見えててノーサンキューでした。

先生からの申し出も丁重にお断りするものの「半蔵ならヤンチャな生徒とおとなしい生徒を引っ張ってくれる!」と熱い引き止めをしてくれる先生(頭の悪い高校だったのでヤンチャな生徒も多かったんです)。

先生が期待してくれてるし、でも無理だし、でも興味もあるし、でも毎日悩んでるし…なんか先生と話しながらそんなことを考えてると…半蔵、先生の前で泣いちゃったんよ。

 

そこからは、今悩んでること、だから選挙に出れないこと、初めて親以外の人に気持ちを吐き出しました。先生はすごく親身になって聞いてくれましたし、その会話の中で先生が「半蔵、そんな辛い思いしとったんやな。お前真面目やからもう一人で悩むなよ。」と言ってくれたのを今でも覚えています。

何だか言葉では言い表せないんですが「教師」という役割から掛けてくれた言葉では無く、その人個人の「思いやり」を強く感じました。

 

結局、僕は生徒会選挙には出なかったのですが、今でも先生には感謝しています。

 

僕は教師嫌いですが、当然教師を一括でみんな嫌いってわけではないです。

大好きな先生もいますし、素晴らしい先生も沢山いることも知っています。

 

まぁ、中学の先生は今も嫌いですが。

 

奥さん

感謝ですね。

奥さんっていうか、結婚する前の「彼女」にでしょうか。

だってこんなすぐお腹痛なるやつをよく好きになってくれましたね。結婚しようと思えましたね。

 

そんな彼女だからデート中でも「ごめん、うんち行ってくる!」って言えたんだと思っています。いや、直接的にうんちまで言う必要はなかったかもだけど。

やっぱり、飾らない自然体でいさせてくれたことが、 僕の支えと癒やしになっているんだと思います。

 

こんなことは面と向かっては絶対言わないけど、本当に感謝してる。

 

それに一緒になってくれたからこそ、大事な子供にも恵まれ、幸せに暮らせてる。

こんなに素晴らしいことはない。

 

母親

一番の感謝はやっぱり母親です。

僕がIBSを発症した中1からは本当に辛い思いをしたんじゃなかろうか。

秀才として有名だった息子が勉強は出来なくなるし、学校に行けない日だってあった。勿論母親は原因は知っているので、僕を責めないし、献身的に寄り添ってくれたことは心から感謝している。

 

夜中に父親が母親に「半蔵の成績悪いけど、こんなんで良いんか?」と文句を言って喧嘩をしていた。父親は家にいない人だったし子供に興味があるのかどうかもよくわからない人だったので、母親からすると僕が悩んでるのを知りもしないで!という感じだったんだと思います。

 

当時から勿論感謝していたけれど、自分が親になってみると、やはりその時の母親の気持ちを考えてします。自分の子供が悩み、将来に絶望している。代われるものなら喜んで代わってやりたい。きっと本気でそう思ってくれてたんだろうと思います。

 

ただただ感謝です。

 

これも本人には言わないけどね。

 

おわりに

f:id:hanzounomon:20210609085002j:plain

実家の片付けをしていたら悩みまくっていた頃に読んだ本が出てきたのでこの記事を書きました。 

 

同じIBSで悩んでいる人にエールになったかはわかりませんが、少なくともIBSで悩みまくっていた人間が「幸せです」と言えるまでになった実例があります。

僕は症状の悪い学生の頃も友人もいたし、彼女も出来たし、周りには恵まれていたとは思います(その分、自分を飾ろうとする苦労もありましたが)。僕より症状が悪かったり、僕よりもっと精神的に弱かったりで、IBSのせいで友達も出来ない人だっていたと思います。それでも環境の変化だったり、気の持ちよう(これは悩んでる時には難しいんですけどね)だったりで良い方向に向かう時が必ず来ると思います。

 

IBSのせいで自分の理想とする未来は描けないこともあるかも知れませんが、僕も今ではIBSの不安を残しつつ、社内の重要な会議にはバンバン出てるし、投資家に対して会社の説明をしてたり、昔では無理だと思っていたような仕事も対応出来ています。

 

勉強も一度は諦めた僕ですが、専門学校に入り直した時に日商簿記1級ぐらいは取ることが出来ました。でもやっぱり試験の時には途中退出出来ないプレッシャーでお腹はピーピーだったんですけど、その分事前にしっかり知識を固め、試験スタートともに(我慢出来なくなる前に解ききるために)猛スピードで問題を解くことで対応しました。結局その時に資格試験に受かるためだけの浅い勉強ではなく、(目的はトイレ対策でしたが)しっかりと理解しながら勉強をしていたことが今の仕事にも活きていたりするので、苦しいながらも遠回りして勉強したことは無駄になりませんでした。

 

IBSの症状は色々ですし、僕と違ってガス型(ざっくり言うとオナラがしたくなる)の人とか、症状ももっと重い人もいると思います。現在進行形で、病院に行っても改善せず、本を読み漁って「消化の良いもの食べましょう?睡眠をしっかりとりましょう?適度な運動をしましょう?・・・全部やっとるわ(怒)」と出口が見えない不安を抱えている人も沢山いると思います。

その人達にまず伝えたいのは「諦めないで」という事と「命を絶たないで」という事です。自分の思い描いた未来ではないかもしれませんが、それに向かって頑張って生きることが良い未来に少しでも近づくと思います。

周りの目を気にしてプレッシャーに感じる人は、まずカミングアウトしてしまうことが第一歩かもしれません。僕は高校の先生に打ち明けたことで、学校生活はいくらかマシになりましたし、今の奥さんにも付き合ってる時にオープンにしたことで開き直ってデートが出来た部分はあると思います。

 

物理的にもですが、精神的孤独を感じると辛いですよね。短期的にでも「お酒飲みながらグチを吐く」ストレス解消みたいな「人に話す」とか共感してもらえるとも気が楽になるかもしれませんね。

当ブログはお悩み相談室では無いんですが、話す相手がいない方は僕にでもメッセージ下さい(笑)まぁ語彙力の問題もあるので「辛いですね…」「頑張りましょう」位しか言えない気はしますが(笑)

(「お問い合わせ」はほぼ見てないのでTwitterが吉)

 

そんなわけで、僕のIBSの歴史と同士へのエールについては以上です。

明日からは平常運転で何の厚みもない記事を書きますがご容赦下さいね。

 

おわり。