みんな集まれ半蔵門

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スノボーを始めたら御縁があったあの日

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今週のお題「冬のスポーツ」。

 

寒い日々が続きますが、冬のレジャーとか楽しまない人にはデメリットしかありませんな。
朝は中々布団から出られないし、駅までの道のりは地獄だし。

 

僕はというと、若かりし頃にスノボーをかじってみたりしたことがありました。
兵庫県のスノボー民は冬になると近場の「ハチ北高原」が候補にあがります。雪質に拘る人は北海道の長野とかに行くんでしょうが、ハチ北なら気軽に二時間ちょっとで行けたので。

僕が初めてスノボーをしたのは21、22歳位の頃だったでしょうか。
友人に連れられて二人で黙々とスノボーを楽しみ…というより僕は延々と転げまわっていたような感じだったし、お尻はズタボロになったしで「スノボーのような何か」をしていた感じではあったのですが、それでも稀に上手く滑れた時の気持ち良さから僕は1日でスノボーにハマりました。
(翌日は全身筋肉痛で大リーグボール養成ギプス着用星飛雄馬にはなっていました。)

 

翌週にはマイボードを手に入れるために大阪ドームで開催されていた「JSBC SNOWTOWN」(京セラドーム大阪の季節常設スノーボードショップ)に赴き早速マイボードを手に入れ、且つその1週間後には夜行バスに乗り込み岐阜の鷲ヶ岳まで単身武者修行に行くというハマりっぷりでした。ちなみにそこで1時間位の初心者レッスンがあったんで参加したんですけど、周りはカップルとかファミリーばっかりで、マイボードまで引っ下げた長身の若者が一人で初心者レッスン受けてるという妙に浮いた男になっておりました。(しかも下手)

 

そんな向上心に溢れたスノボ1年目だったので、翌年も友人に声を掛けてハチ北に行くことにしたんですね。


たしかあれは年末の仕事納めの日だったと思います。当時僕は地元の現場仕事をしてて、今年も終わりだなーと思いながら車で家に帰る途中でした。その日は声を掛けた友人の中から一人だけ予定の合った友人と二人で夜中に出発してハチ北で車中泊するプランでした。


そして、仕事の帰り道にふと頭によぎったのです。


「あれ?防水スプレーってまだあったっけ?」
スノボ初日と比べればずいぶんと滑れるようになったものの、まだまだすってんころりんする可能性は高いので防水スプレーは必須だな、と。

そこで僕はスポーツショップに立ち寄って防水スプレーを買うことにしました。
店に着いた頃に少しお腹が痛かったのでトイレに立ち寄りました。でも出ない。出たのは情けない音のした放屁だけでした。まぁそれは良い。放屁で腹痛はやわらいだ。

僕は気を取り直してさっさと防水スプレーを買いに行くことに。

そして防水スプレーをレジに持って行った時。

半蔵は戦慄する。

 


財布が無い。

 


待て待て待て待て。
考えろ。考えるんだ半蔵。
高卒のその低スペックNOUをフル稼働させるんだ。

 


あ、トイレだ。

お尻のポッケに突っ込んだ長財布を、便器に座る時に横の小棚に置いたんだ。
記憶が鮮明に蘇る。

 

走った。
半蔵は走った。
それはもうホントに必死の形相で。

 

そして、トイレに戻った半蔵の目の前には凄惨な光景が広がっていた。
三郎爺さんの家から帰った炭治郎もこんな気持ちだったのだろうか。


母ちゃん、花子、竹雄、茂、禰豆子、六太、財布…ッ!!
なんでこんなことになったんだ。

 

財布は無かった。
それはもうげっそりする位無かった。
用を足して、スプレー探してレジまで行って、トイレに戻ってくるまでで10分位しか無かったんだぜ?なんという運の良い奴と悪い奴の協奏曲。

そして悲しいことに僕は年末年始に備えて前日に銀行から7万円をおろしたばっかりだったのだ…。


失意の中帰宅した僕は、自宅で更にとんでもない物を発見する。
家に新品の防水スプレーが1本あったのだ。

 

便意をもよおしてトイレに入れば情けない放屁に終わり、財布と7万とカードを失い防水スプレーも買えず、挙句そのスプレーすらいらなかったという。
何て日だ!

 

結局その日のスノボはほぼ無一文に近い形で(家にあった5千円札のみを握りしめ)、友人と合流し、財布と一緒に免許証も失っていたので往復の運転を全て友人にお願いするはめになった。

 

気持ちを切り替えてスノボを楽しんだ(?)帰り、携帯に「財布が見つかった」との連絡が入った。なんでも近隣の店舗のトイレに捨てられていて、清掃員さんが届けてくれたそうだ。

僕はすぐに財布を取りに行ったわけですが、免許証やカード類は無事で少し安心しました。
しかし、残念ながら現金は見事に抜かれておりました。7万…。

 

いや、正確には現金は一部残されておりました。

小銭入れのところに…

 

5円玉だけ。

 


は?

 


マジで意図がわからん。

「災難だったね。これから良いご縁があると良いね」


ってこと?

ふざけるな。

 


ということでマジであの5円玉の意味はわからないし腹が立つんですが、この悲惨な事件を教訓に僕はちゃんと財布は現状有姿で届けております。僕に拾われた人はラッキーですね。
先日もちゃんと届けたよ。

 

「お金を取らずに届けてくれるなんて、何て良い人だ!僕もそうしよう!」
っていう気持ちが連鎖すると良いなぁ、なんて思ってます。

 

あれ?これが良いご縁ってこと?

 

ふざけんな。